システム開発はエンジニアリングである。システム開発の技術者をシステムエンジニアと呼称するように、エンジニアリングでなくてはならない。エンジニアリングである以上、要求仕様と合致したものが逆算の生産工程を経て当たり前のように生産されるべきだろう。だが、エンジニアリングとしてのシステム開発の成熟度はとても低い。建築・建造や精密機械などの他領域とは比べるべくもない。アジャイル開発だ、ローコード開発だ、RPAだなどと言っても、未だに前近代的な工場制手工業の域に留まっているのが実態と思える。手工業であるがゆえに、品質や生産性に及ぼす属人性の影響は無視できない。システム開発に携わる一人一人の振る舞いや創意工夫の積み重ねが、開発全体の結果を左右する。とりわけプロジェクトを統括する立場にある者の影響はとても大きい。
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