Excelがデジタルサーバントになる日 | 株式会社クロスフィールド

レポートReport


【レポート】

Excelがデジタルサーバントになる日

2024.07.22

その他

2023年にExcelに起こった注目度の低い大きな変化

1980年代から販売が続くExcelとWordは長寿ブランドとも言えるソフトウェアである。長寿ブランドの秘訣は「その理念を保ちながら時代のニーズに合わせて変化を続けていくこと」とよく言われているが、Excelも然りで、常に変化を繰り返し、新しい機能や構造を取り入れている。特に2023年はそれを印象付ける出来事が多かった。Open AIのChat GPTの仕組みを使ったCopilotのアシスト機能は記憶に新しいと思う。ただ、Excelに関してはこれ以外にも大きな変化があった。それは「自動化」タブが追加されExcelからOfficeスクリプトが使えるようになったことである(注1)。

OfficeスクリプトはExcelを含むM365ソフトウェアの自動処理を記述するためのプログラミング言語である。これまでOffice系ソフトウェアにおける自動処理のプログラミング言語と言えばVBA(注2)だった。だが、VBAはWebブラウザでは動かず、クラウド環境には不向きという問題があった。そこで登場したのがJavaScriptを拡張したOfficeスクリプトである。JavaScriptベースであればクラウドを基盤とするM365の自動処理開発も可能となる。

1つのソフトウェアの中に同じ役割を持つ機能が重複して存在することは原則無い。そのためExcelにおけるOfficeスクリプトとVBAの共存状態は、VBAからOfficeスクリプトへの移行期間だととらえるべきだろう。VBAが生き残るかどうか?に関しては色々と憶測が飛び交ってはいるが、ここは特に注目するべきところではない。
注目するべきはOfficeスクリプトのこれからである。筆者はこのOfficeスクリプトが起点となって、世界規模で利用されているExcelの役割が大きく変わってゆくと考えている。当記事ではExcelを生み出した表計算ソフトウェアの歴史を振り返り、Excelがこれからどうなっていくのかを独断と偏見を交えた予想を巡らせて論じていく。

注1) M365のエディションや管理者側の設定によっては「自動化」タブが表示されていないこともある。
2021年にWeb版Excelに「自動化」タブは追加され、2023年にPC版Excelにも追加された。

注2) VBAとはVisual Basic Applicationの略。VBAはOffice製品の自動処理を開発するためのプログラミング言語で、ExcelマクロとはVBAで開発された自動処理のことを指す。

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